2009年6月4日木曜日

考え続けること

「感じ、考え、想像すること。」
「考え続けること。」

学部のとき、同じ学科の友だちと立ち上げた有志団体Blue Birdsが、大切にしている理念。

平和や、社会問題に関心を持ち、それに対して何かしたい、と考えているという共通項があるけれど、メンバーはそれぞれ色々な分野に興味を持っている。紛争、戦争、環境問題、構造的暴力、人権、食等々のキーワード…国内外問わず、さまざまだ。
と言っても、バリバリの社会運動家、ってわけではなく、みんな、いわゆるフツウの女の子。
社会人、院生、学生、という多様性が、よいところ。

今、10月に、アートチーム・ピエロの筆とのコラボで、中高で授業をする企画が進行中だ。

その企画では、「大きな流れに流されるのではなく、自分の視点で物事を見極め、考え続ける」ということを伝えられたら、と思っている。「答え」は求めない。

具体的なテーマとしては、「誰でも、知らず知らずのうちに、戦争の担い手になってしまう可能性を持っている。また、戦争にNOと言えずに、戦争が起こってしまう可能性がある。」ということを伝えようということになった。

色々な事例を話し合ったけれど、特に、経済的な面での戦争への動因は怖い。

『ルポ 貧困大国アメリカ』という新書がある。

しばしば、問題として取り上げられることだけれど、アメリカでは、経済的に困窮している人びとが、学費を免除してもらえるとか、奨学金をもらえるとか、そういう理由で、軍のリクルートに応じ、入隊するケースが多いという。

たくみな誘いで、入隊してみたら、全く予想だにしないうちに、いつのまにかイラクに従軍することになり、心の傷を負って帰還するというケースもある。

新聞で最近目にしたのは、アメリカのアフガニスタン帰還兵のPTSD(心的外傷後ストレス障害)というものだ。イラク戦争のときも、全く同じような記事を目にした。
心身の傷を負った多くの帰還兵は、帰還後働くこともできない。戦場での記憶が、トラウマになり、子育てがうまくできなくなって、リハビリ施設に入った女性のドキュメンタリーを、以前に見たこともある。そのような帰還兵問題が最近取り上げられているのを、よく目にする。


アメリカには、民間軍事会社というものもある。これもまた問題だ。

民間の会社が、軍事を請け負い、従軍するのだ。

戦争の裏に隠された「経済」。

戦争を行うことで、儲かる人びとがいると同時に、経済的に苦しい人びとはいつのまにか、戦場へと送り出されるという構造。

格差が激しくなる日本で、2007年に、30代のフリーターの人が書いた、「希望は戦争だ」という趣旨の原稿が雑誌に掲載されたという事実もある。

困窮の中で、ひとは、判断する、ということが、難しくなってしまうのかもしれない。
そうするしかないのなら、自分だって、そういう状況に陥ったら、戦争や軍隊ということを考えないとは言い切れない。やりきれない感情や、どこに向ければいいかわからない怒り、理不尽だと思う気持ちを、そういうものに、向けてしまいかねない。

前者のアメリカ軍のリクルートに関しては、非常に、構造的な問題だと思う。

また、今は、水に代表される、資源収奪で、戦争や紛争が起こる可能性が盛んに叫ばれている。

いずれにしても、構造的な問題であると思う。

だから、その構造について学び、自分の視点で考えなければならない。

この世界には、全人口が満たされるだけの食糧を生み出すキャパシティーがあるというが、先日授業で知ったことであるが、日本は、世界の年間食糧援助量の、約3倍にものぼる食糧を毎年廃棄しているそうだ。


この世界の構造のゆがみ。
既に私は、その構造の中にいる。

だから、構造を理解し、考えなければいけない。そして、伝えないといけない。


「繰り返し、考え続けること。」
「戦争が嫌だ、と思っていても、自分だってそういう状況を意識的であれ、無意識的であれ、いつのまにか肯定してしまう可能性があること。」
「完全に、物事が元に戻せなくなる前に、そうなりそうな動きや兆候を感じとる感性を持って、自分の視点で物事を判断するように努力すること。」
「自分を含め、人間は弱いし、わかっていても、忘れっぽい。だから、なかなか自分で物事を見極めることはできないけれど、なかなかできない、ということを、自覚しておくこと。」

これは、戦争だけではなく、どんなことでも、言えることだと思う。
自分にも言い聞かせながら、私たちは伝えられたら、良いのかもしれない。



きっと、特に今の日本に必要なのは、そういう感覚であり、感性であり、「考える」ということ、なんだと思う。

※企画はまだまだ練っている途中です。ここに書いたことは、私の視点からの見解で、Blue Birdsという団体の見解というものではありません。

2 件のコメント:

  1. すごいね!!これを読んでまた1つアメリカの裏社会、持続不可能を知りました。レポートするから、深いコメントできないけど(笑) 勉強になった!!すごいね!!^-^

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  2. 素敵な理念だね。自分も考え続けることを続けています。
    ただ、自分の場合の問題は考え続けるだけで、理念があるだけで、狭義の行動が足りないことだと思います。いわば、今の自分が出来ることはもう少しあるのではないかとか。もっと思慮深くなれたはずなのにとか。そしてそれを後で思い出して落ち込みます。
    それを踏まえて、言葉をお借りして言うならば、自分の理念は、「思って、考えて、行動すること。そして、また思い、考えること」です。
    さて、構造的な問題は、自分たちが相対的に後進国になる覚悟がなければ解決できない気がする。主観的幸福感を大事にし、ほどほどに成功している国もあるようだけど、自分たちが「今のパラダイムのまま」構造的な問題を解決したら、きっと人口的な問題で、日本は占領されたり、そのほかの文化圏の人々に戦争という手段か、それに近い手段で侵略されてしまう、と思う。
    構造的な問題は、こちらがある意味で圧倒的に優位のままでいなくては、自滅と紙一重のように思う。
    だからといって、解決できないと思うわけではないし、解決したくないと思うわけではないよ、念のため。

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